精神科医の見立てや治療は、他の科のように血液検査や内視鏡というわけにはいかない。
精神科医の検査器具・治療器具は「自分の体」。体しかない。
しかも、相手はもっとも傷つきやすい患者さんだ。
だから、少しでも体調不良だと、見立てはともかく、治療の際に影響してしまう。
疲れているときの一番の失敗は「つい一言多くなること」
「口は災いの元」を地でいく結果になってしまう。
人間は疲れてくると、おしゃべりになる。年とるほどにおしゃべりになるのも
抑制がきかなくなっているからだ。
抑制をきかして人の話を聞くためには、体調が良く、しっかり抑制がかかっていないと出来ないのだ。
だからふだんからものずごく、神経質なくらい体調管理をおこなう。
日曜日は、たいてい「医療器械」の整備に追われるというわけだ。
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このところ気分がぱっとしない。
でも今日は久しぶりで ひじきの煮物を作った。
料理できるということは、わたしの理屈からいくと疲れているわけではないのに。
なぜだろう。
人間は「自分を知る」ということがもっとも難しいと思う。
天気のせいにはしたくないが、各地で桜が咲いているというのに今日はこちらは雪模様だった。