「医療器械」の不調

精神科医の見立てや治療は、他の科のように血液検査や内視鏡というわけにはいかない。

精神科医の検査器具・治療器具は「自分の体」。体しかない。

しかも、相手はもっとも傷つきやすい患者さんだ。

だから、少しでも体調不良だと、見立てはともかく、治療の際に影響してしまう。

疲れているときの一番の失敗は「つい一言多くなること」

「口は災いの元」を地でいく結果になってしまう。

人間は疲れてくると、おしゃべりになる。年とるほどにおしゃべりになるのも
抑制がきかなくなっているからだ。

抑制をきかして人の話を聞くためには、体調が良く、しっかり抑制がかかっていないと出来ないのだ。

だからふだんからものずごく、神経質なくらい体調管理をおこなう。

日曜日は、たいてい「医療器械」の整備に追われるというわけだ。

             ☆    ☆    ☆

このところ気分がぱっとしない。

でも今日は久しぶりで ひじきの煮物を作った。

料理できるということは、わたしの理屈からいくと疲れているわけではないのに。

なぜだろう。

人間は「自分を知る」ということがもっとも難しいと思う。

天気のせいにはしたくないが、各地で桜が咲いているというのに今日はこちらは雪模様だった。

hijiki.jpg