中学2年生の時の日記が出てきました。
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今、球技大会のことでクラスがもめています。今日はちいさなけんかになりました。わざわいは口からと言うが、Y子さんも私ももうちょっと口をつつしんでいれば良かった。私たちはよくけんかみたいになる。けれど、わたしはあとまでネチネチしないほうである。今回もなんとも思っていなかったのに、Y子さんが私とはもう口を聞かないというので困っています。
声をかけても、ロクに口をきいてくれません。そこで私も腹をたてて、口を聞かなくなりました。
今日も仲良くしようと思って近づいていったら、廊下で出会っても、こちらを見てじっとにらんだのでわたしはつい声をかけそびれてしまいました。
こんな喧嘩はもうしたくないと思います。もう口を聞かなくなって12日にもなるのです。
先生。
今日はこころにわだかまっていたことを全部この日記に書いてしまいました。だから嫌なことは、私の心から出てしまったのです。
あしたはもう。わたしとY子さんの明るい笑い声が教室から聞こえてくると思います。
先生、見ててくださいね。
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と書かれていた。中学2年生の春である。
東京に住む彼女とは、今もおつきあいがある。
毎日の日記には、赤ペンで先生の丁寧なコメントがつけられている。
●友達とのいざこざ。
●気分がすぐれなかった日のこと。
●つばめが巣を作ったこと。
●なんでも話せて、心から笑える家庭を作るのが夢だというような こと。
●家庭が不幸なので、かわいそうだと思う友達のこと。
●進路の相談。などがいっぱい書かれている純情な日記だ。
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女の子らしい観察記録もあった。
「毎日、この日記でけんかがおこる。
「なあ、見せてんか」と誰かが言う。「いやや」ともうひとりが言う。見せて、見せないでの喧嘩が毎日2回はおきる。
女の子は本当にねちねちとなんでも喧嘩の種にしてしまう。
そして、泣いたり笑ったりをくりかえしている。
わたしはあっさりした性格だし、なんでもしんぼう、しんぼうと言い聞かせているのだけど、女の子のいざこざは、見てるだけでも大変です。
先生、わたしは男の子に生まれてきたかったです。
男の子はなんでもすっきりさっぱりとしているのでいいなあと思う。
神様、今度生まれてくるときは、男の人間にしてください。
と書かれていて、笑ってしまった。
私が「男」だったら、随分ネチネチとした男だったろうか。
それとも、普通の男性よりさっぱりしててカッコ良かったかも。
うん、私って行動的だし、ネチネチしないし、太っ腹だし。
職場の男性たち見ていても、私のほうが男性的で、決断力があって
行動力があって、太っ腹でかっこいい気がする(笑)
病院という所は、看護師さんたち女の世界。
どろどろとした女の世界に近づかず、うまくたちまわっているのも
すでにこの頃から萌芽がある。
先生のコメント。
「男、女は人間の宿命だから仕方ないよ」と書いてあった。
中学1年から3年間、こんなにしあわせな出会い(先生と生徒)があったことに心から感謝した。
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それにしても、わずか13才で私の人格はもう出来上がっていることに驚く。今と同じである。
辛抱強く、ネチネチが嫌い、観察力がある、書くことが好き。
(たった12年間生きただけで、人間って赤ちゃんからここまで成長するんですね。)
そして。
笑いのある、なんでも話せる温かい家庭を作るのが夢です。
にも笑った。
夫から半分は逃げ回っていますが(笑)、一緒にいる時には
よく話し、笑いが絶えません。嫌味や喧嘩もまったく無し。
あれええ、この願い、叶ってるぅと思いました。
(一回離婚してるので、年月はかかっていますが、
したかかに目標は達成しておりますね)