連載コラム(6)過労の兆候は何でわかるか?

このコラムは

「得意が⾯倒」過労の兆候 

という題名です。

新聞の連載というのは、題名を10字以内におさめないといけないのですよ。ですからなかなか難しいのです。ちなみに1000字以内で書くコラムっていうのもなかなかハードルが高いです。短くてまとめるのはけっこう大変です。

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暑い夏が終わり季節の変わり⽬ともなれば、疲労がたまって体調を崩す⽅が多いように思います。疲労というのは⾒えにくいものです。だけど、すべての病気や不調の裏に「疲労」や「過労」が隠れていると⾔われていますし、医師をして患者さんと関わっていると、すべての病気の引き金は「過労」だと思うくらいです。そこで今⽇は私が使っている、とっておきの疲労度測定法をご紹介しましょう。

さて、⼀⽇の暮らしは家事をはじめ、多数の作業の集まりで成り⽴っています。例えば朝起きてからの⾝⽀度に始まり、⾷事の⽀度、洗い物、洗濯、掃除、整理、運転、買い物、⼦どもの世話、世間付き合い、草むしり、花の⼿⼊れ、テレビや新聞で情報を得るなどです。かぎりない雑用の連続です。

この中から⾃分にとって「好きで得意な家事」は何だろうと考えてみてくださいますか。

次に「苦⼿で不得意な家事」も同様に考えてみましょう。

つまりは、それらをものさしとして疲労度を測るやり⽅なのです。しっかり、好きと苦手を分けてください。

この際、「やらねばならない」かどうかは横に置いといて、⾃分にとって、好きで得意で割合⾃然にやれてしまうことと、苦⼿で不得意なので無理してやっている家事や雑⽤を、⾃覚的に⾃分の中でしっかり分けることが大切です。

その⾃覚ってふだんはやりませんが、まずはそこが基本になります、⼤事です。

好きなことは、たいていは少々疲れていてもできるものです。

ここがポイント・1

それがおっくうになるということは相当疲れている時なのだ、というのが私の仮説であり、今回⼀番⾔いたいことなのです。

今回も「なあんだ」だったでしょうか。

例えば私の場合は少々疲れていてもキッチンに⽴てるし、キッチン仕事は気分転換になることさえあります。

ところがなぜか料理がおっくうで気が乗らない時があります。私はそんな時、しっかり⾃分の疲労度は⾼いと⾃覚し、無理をせず休むことにしています。

逆に整理や掃除はとても苦⼿です。できたらなるべくやりたくない家事NO.2 です。(ちなみに NO.1は庭仕事です)

たまに整理や掃除がはかどる時があるのですが、それは私にとって特別に元気な時なのだと思うと間違いがありません。そんな時は調子に乗ってテンションを上げないよう、要注意なんです。

私は疲労度を⾃分なりに数字化して⼿帳にちょこっと書き続けることで、とても忙しく、また病気がちな時期を見事、無事に乗り切った経験があります。

健康な⼈にとっても疲労は無関⼼ではいられないはずです。うつ病を患った⽅、持病のある⽅、ご⾼齢の⽅、仕事や育児などに忙しい⽅、また疲労を⾃覚できないまま肩こりや頭痛などを起こしてしまう⽅にとっても、疲労を早めに⾃覚することはとても⼤切だと思います。

ここがポイント・2

ところが、得意なことができなくなると、⽪⾁なことに⼈は「これくらいできない私じゃない」「こんなはずじゃない」と思って、逆に⾃分を頑張らせることが多いように思います。

得意なことさえできないくらい疲れがたまっている時だという事実が隠れてしまうのは、怖いことですよね。

疲れに敏感になり、休み時を知ることで、ぜひ疲れをため込まない暮らしを⼼がけてほしいと思います。

(○注*このコラムは私のお気に入りのコラムです)