サプリ、自己導尿、白内障など

昨夜、医師会の会合と宴会があった。

会合では話せないが、宴会になると、いろんな科の先生の話が

直に聞ける。

 

整形の先生が「膝に効くというコンドロイチンとかいろんなもの、あれはまったく膝にはいかない。食べ物やサプリは無関係」と言い切っていた。

私もどう考えても、そう思っていたので、飲んではいないが、かなり賢明な人たちがこぞって飲んだりしている。

不思議である。

 

私が「ルテインはどうですか」と眼科の先生に聞いた。

「黄班症の予防にはなります」という。

私は左目が失明しているので、右目までやられたら失明であるので、半信半疑で飲んでいる。眼科医がそう言うので、やめることもないかと思った。

 

親類の男性が、排尿困難で困っている。人生がもう終わりだと思うくらい悩んでいる。尿が出にくく、しかし基礎疾患はなく、治療のし様がない。

「最後は自己導尿という方法があります」という。

聞いたことがなかったが、調べてみると、自分で管を入れて尿を出すのだが、生活に支障はないらしい。

教えてあげよう。

 

私は病気になると、もちろん病院には行くし、だいたい知り合いの医者にも聞くし、別の病院にも行くし、簡単な病気でも3人の医師に聞く。

ひとりでは信用できない。

 

「白内障と言われた時に読む本」という本が出ていて、良心的な眼科医が、丁寧に、手術の可否や必要な知識を書いてくれている。

自分には白内障はないが、買ってみた。

なるほどと思うことがあった。

 

どんな病気でも、少なくとも3人の医師に聞いたほうがいい。

癌など重い病気なら7人に聞くと思う。

 

病気とはそういうものである。

大事な自分の身体は慎重の上にも慎重に考えてあげるべきだと

思う。考えてあげれる人は、自分しかいないのだから。

連載コラム(31)反論で対等な関係を築こう

<31>反論で対等な関係築く

「もう、⾔われ放題なんです」。その患者さんは嘆息をついた。職場の先輩がいつもきつく当たるらしい。患者さんは何も⾔い返せない。ところがある⽇、ご飯が喉を通らず夜も眠れぬほどになり、翌⽇思いきって「あんな⾔い⽅をされて落ち込みしんどかった」と初めて伝えたそうだ。相⼿は黙った。「すごくすっきりしたんです。⾃分のすっきり感に本当に驚きました」と、患者さんはうれしそうだった。これからは少しずつ⾔うようにすると⾔う。

⾃称しっかり者の私でさえ、家で、職場で、どれだけ黙り込んでしまうことか。このトシになれば⾔い訳にもならないが、そういう訓練を受けていないし、今まで⾔い返す⼤事さをあまり意識してこなかった。相⼿が理不尽であればあるほど「どうせ分かってもらえない」とばかり黙ってしまっている。

もう親のせいにはできないが、親に⼝ごたえをしてはいけない、などと教えられ、反抗したり⾔い返したりすることをしてこなかった。そんな⼈は意外に多い。先⽇、わざわざ横浜の友⼈宅に泊まりに⾏った妹も、⼀晩中友⼈から愚痴を聞かされ、それを制⽌できなかったというからあきれてしまった。

実は夫婦にもこうしたパターンは多い。夫が毒⾆家だと妻は黙り込む。妻が愚痴っぽかったり嫌みを⾔ったりするタイプだと夫は黙る。私たちは⾃分の気持ちや考えを伝えることに慣れていない上に、喧嘩になるのを異常に恐れている。けれど、やっぱり⾔い返さない⽅にも責任があると思う。

職場での反乱は波⾵が⽴つことも多い。まずは家庭の中で練習をしてみてはどうか。⼦どもが⼝ごたえしたら「へえ、そんなことを考えていたんだ」と受け⽌めてあげよう。夫婦の間でも、⾔い返す練習をしよう。いや、するべきだと思う。

なぜかというと、⻑い年⽉の間にそれぞれの性格の特徴やパターンが強化され、その差が埋められぬほど⼤きな溝となるからだ。共⽩髪になったころ、愚痴が常態化して認知症になってしまう妻、毒⾆が常態化して暴⼒的になってしまう夫。そうなって初めて精神科の⾨を叩くことになる。

黙り込むことは決して相⼿に対する愛情ではない。その場限りの平和を重視した、⾃分を守る⼿段である。優し過ぎる⼈、優し過ぎる妻(夫)、優し過ぎる⺟(⽗)は相⼿の⽋点を⻑年かけて⼤事に育てているのだと知れば怖い話だ。

固い頭になる、事件になる、認知症になる、その前に、愛情を込めて相⼿と戦おう。まず家庭の中で親⼦や夫婦やきょうだい、考えや思いの違いを⾔い合える対等な関係をつくろう。たくさんのケースを⾒てきた私の切なる願いである。