捨て犬

朝早く、当直の帰りに車を走らせていた。

と、向こうから犬が来た。

車を止めて「どうした?」と聞いたら、こちらを見て犬も立ちどまった。

汚く汚れた柴犬だった。

そしてまた一生懸命、走り去った。

胸がつまった。

なんで捨てるのだろう。

あわれで涙が出た。

どこに向かって。

こんなに一生懸命走っているのだろう。

捨て猫はたくましく生きている。、

でも捨て犬は、いつも必死で走っている。

一生懸命走り続けている。