⾝体が丈夫なほうでなく、不調を感じることも多い私です。
なのに何⼗年、病気で仕事を休んだ覚えがないのです。
そう話すと皆さん驚いてそのコツを聞かれます。
「無理しないことですか︖」と聞かれることも多いです。だけどこれが違うのですよ。
コツはただ「休まないと決める︕」です。
もちろん体調を崩すこともありますが、「患者さんがいるので、まず絶対休まないと先に決めてるのよ」と⾔うと相⼿は笑ってしまいます。そんなことが健康の秘訣だなんてね。
でも本当なのです。
先⽇の⽇曜⽇も、起きようとしたのですが、吐き気がしてどうしても起きられませんでした。
朝も⾷べられず、昼も⾷ベられず、⼣⾷も⾷べられず、⽔さえ喉を通らない状態が続きました。
仕⽅がないからおとなしく寝ているしかないと観念しました。
しかし考えていることは、「明⽇、⾏けるかどうか」ではなく、
「どうしたら明⽇⾏けるか」だけです。
つまりダウンして寝ていながらも、私の頭の中に「明⽇は休む」という選択肢は全くなく「⾏くこと」しか考えていないのです。
こんな時、夫はというと…。私の性格や置かれている状況をよく知っています。
だから「絶対⾏くよ」と同情も⼼配も全くありません(笑)。
私⾃⾝は⾝体の変化を⾒つめつつ、とにかく寝ていただけでした。
すると夜中の12時になって、吐き気が⽌まってやっと⽔が飲めるようになりました。このあたりで「しめた︕」と思ったのでした。
夜が明ける頃には、どうにかお粥が⾷べられました。
これでもう⾝体は回復の⽅向に向かっていること間違いなしです。そしてもちろんその朝、いつも通り仕事に⾏ったのでした。
ここがポイント!
⼈はあれこれ迷ったり⼼配したりするのが好きですが、選択肢が⼀つしかないと悩もうとしても悩めません。
「⾏くこと」を先に決めておくと余計な⼼配や迷いがないので、そのぶん⾝体の回復にエネルギーを集中できるのかもしれないと思います。
多くの場合には、迷いが邪魔をしているのですね。
医者の宿命で⻑い歳⽉の間にそんな思考や⾝体になったのだと思います。
だからといって「休む⼈は⽢えている」とは思わないし、このコツを⼈に強制したこともありません。
むしろ普段から患者さんには「無理しないで」「がんばり過ぎないで」と繰り返している私です。
またこんな私も、精神科医が10⼈以上いる⼤病院に勤めていた頃には、⼦どもが4⼈いたこともあって、遅刻の常習犯でした。
「医者でなかったらとっくにクビだね」と同僚に嫌みを⾔われたくらいです。
つまり、遅刻しても誰かがカバーしてくれる環境にあると、無意識に気持ちが緩んでしまうのでしょう。
これは誰にでも⾔えることではないでしょうか。
退路を断ち、選択肢を⼀つにする。
その覚悟が、持っている⼒を最⼤限に引き出してくれると思います。「⼀念岩をも通す」じゃないけれど、願望を先に決め、迷いなくそれに向かっていると、念願がかないやすいのですよ。
ぜひ皆さんもお試しあれ。