実験的共同生活①

子供たちもすっかり成長して大学に行き、ひとり暮らしとなった夫の妹が再婚しました。

家も処分し、すっかりシンプルになって東京へ。

ところが事情があって、再婚に失敗。

帰る家もなく、兄夫婦であるわたしたちが「帰っておいで」といって出戻ってきたのが一ケ月前。

それ以来、中年夫婦であるわたしたちと 妹と猫の暮らしが始まりました。

妹には当然仕事をさがし、さっさと出ていってもらう予定でした。

ところが、キャリアのある調理師である妹でも、仕事がなかなかないんですよ。

あっても、給料が安い。とてもじゃないけど アパートを借りて満足な暮らしのできる給料ではない。

妹の子供たちは、母親が苦労して育てたのでとっても、いい子。ふたりとも母親には一銭の援助も受けずに

東京で学生生活を送っている。母親も子供に負けず自立したいところだけど、中年女性のひとり暮らしはいま、とても大変な時代です。

時給800円とかの世界です。暮らしていけます?

妹が必死で仕事をさがし、面接を受けている様子や、安い住まいを苦労してさがしている様子を見ているうち、わたしの正義心が 

ムクムクと頭をもたげ始めてきたのです。

世間にいつもどこかで反抗心を持ち、いつも世間の半歩先を歩いてきた私の今回の心の軌跡についてお話しします。