私のある一日

週で一番忙しい日がある。

8時半前に出勤。8時45分から12時半まで、患者さんを2~30人診察。

昼食をとって休み、午後は病棟まわりをするのだが、総合病院の対診依頼なので

知らない病棟の知らない患者さんを数人診察する。これが結構気疲れするのだ。

3時からまた外来患者さんを5~10人診て、あとは職員の相談にのったり

書類を書いたりする。

パートなので 仕事さえすめば 5時に帰れる。必至でこなして5時すぎに帰る。

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心臓病をもっている私は、このハードな日、からだがもたないので 朝、安定剤を

服用することにした。

症状に変わりばえのない お年よりを診る時間は すこし頭をぼーっとさせておかないと

夕方まで エネルギーが続かないからだ。

それをするようになって なんとか 夕方になっても 疲れが残らないようになった。

ところが ずーっと私についてくれる看護師さんは「最近 元気がない」という。

安定剤で ハイテンションをおさえているのが、「疲れている」ように見えるらしい。

私の仕事ぶりを一日見ている看護師さんでも 他人の疲れはわからないのだと

不思議な感慨に襲われた。

仕事と家事に追われた妻を目の前に毎日見ていても、殿方たちは 本当には

妻の大変さがわかっていないことが多い。それと同じだ。

最近、ハードさを訴え、過労死するかもしれないので 改善してほしいと訴えたら

院長から「過労死する前に、やめてほしい」と言われたという医師の話を聞き、

どこかの偉い大臣が「過労死は自己責任だ」とまで言う気は、もうとうないにしても

ある程度、自分で守ることも必要だと思う。

メンタル ヘルスに関心があり、この秋、3つばかり 講演の予定がある。