わたしとピアノの慣れ染めは、ちょうど12年前だ。
結婚した夫がピアノを独学で弾けると聞いて、私もやろうと決めた。
先生について習ったが、甘くなかった。
とても手に負える代物ではなかった。
何回もあきらめてピアノから遠ざかった。
けれど、3年前からやっと続いている。
12年かかってバイエル102番までいった。偉い!
(ちなみにバイエルは106番まで。もう少しだ)
やっと「才能」とやらのないことが、はっきりした。
なんでもこなせてきたので、自分でなかなか認めることができなかった。
だから何回もやめたのだと思う。
今は認めている。
うまくなれないだろう。
だけど、楽しめればいいと本当に思えるようになった。
うまい下手は関係ない。
とにかく音響とピアノの良い大きなホールで弾くことが趣味だ。
はっきり言う。
とにかくとても気分がいい。
わたし、ピアニストよ。
そんな気分なのだ。
おとなさんたちは大きなホールで弾きたがらない。
特に夫などは、あがりっぱなしで、見てても気の毒なほどなのだ。
スポットライトが当たるという意味では、
結婚式の花嫁さんになるより。はるかに気分が良い。
自分に対する誇りが持てるし、楽しい。
今年は「秋のスケッチ」
今の景色にぴったりだ。
秋の景色を眺めるレモンを思い出しながらロマンチックに弾こう。