何かをしようかな。
それともやめておこうかなというとき
だれと相談しますか?
ふつうは自分の「こころ」と相談しますよね。
でもそんなとき
まわりと相談していませんか?
まわりからどう見られるかなってね。
でも自分の「こころ」と相談するのが一番です。
何かをしようかな。
誘われたけど 行こうかな やめようかな というとき。
ぜひ あなたの「こころ」と相談してくださいね。
仕事・家事・趣味のバランス、心とカラダのバランスなどバランスの大事さ、また「自分らしさを生かす」「自分の好き」を見つけ伸ばすことを視点にしてしあわせ探しのお手伝いをめざす著者(精神科医)のフォト・エッセイです。
何かをしようかな。
それともやめておこうかなというとき
だれと相談しますか?
ふつうは自分の「こころ」と相談しますよね。
でもそんなとき
まわりと相談していませんか?
まわりからどう見られるかなってね。
でも自分の「こころ」と相談するのが一番です。
何かをしようかな。
誘われたけど 行こうかな やめようかな というとき。
ぜひ あなたの「こころ」と相談してくださいね。
30年前には多分2桁だった精神科外来患者数が、1996年には185万になり、
2005年にはなんと268万人になったという。
まだまだ精神科クリニックは増え続けるであろうが、それでも対応しきれる数ではない。
うつ病は「こころの風邪」で(わたしはこの言葉に共鳴していない)、早めに精神科を受診するように、
というのが、最近の合言葉だ。
しかし、精神科を受診する患者さんが、こんなに増えてもいいのだろうか。
「早めに受診する」ということ自体は、間違っていないと思う。
でもあえて言う。半分は間違っている。
☆ ☆ ☆
うつ病の患者さんが、早めに発見されるような対策として、啓蒙活動をするとか、
一般医と精神科医が連絡とりあうとか、かかりやすい精神科クリニックをたくさんつくるとか。
そういう対策をすることは正しいと思う。
わたしもそういうことは、できるかぎり進めていきたいと心底思っているひとりだ。
しかし、その上での発言なので聞いてほしい。
☆ ☆ ☆
どこの精神科クリニックも混み合っていて「わたしは一日50人の患者さんを診ている」というのが
精神科医のひそかな自慢話になっているのをご存知だろうか。
しかし、一日50人ということは、ひとりの診療時間数分以内である。
精神科の診療点数は、「精神療法」という診察代金だけで成り立っていて、それは 3600円なにがしか
である。再診料や処方箋代を含めて4600円くらいだと思う(7年前に開業していたころのこと。今もだいたい
同じのはず)
3分間の診療でも 4600円、一時間の診療でも同じく4600円いただける。たくさん診るほうがいいに決まっている。
その上、人の心理として スーパーでも何でもそうだが、混みいっているクリニックほど人は行きたくなる。
たいした診療ができなくても、とにかく一日50人を診療すると、一日の売り上げは25万。
そこからビルの賃貸料金やナースや事務員の給料を支払うと、医師の給料は 勤務医よりは高くなる。
しかしもし、ひとり20分かけたらどうなるだろう。
一時間4人、正味7時間で28人。売り上げは12万。
しかし、ちょうどいい具合に 28人の患者さんは来てくださらない。医師の給料は勤務医の半分以下になる。
だから精神科のクリニックというのは、「はやる」 か 「はやらない」かのどちらか。
というより、はやらせるしか 生きぬいていく道がない。
丁寧に診ていると、その日の売り上げから ビルの賃貸料やナースの賃金を支払えなくなる。
クリニックを開業するということは「必死で患者さんの数をこなさないと経営できない」
ということになる。
ということは 医師は「軽い患者さんほど歓迎する」ということだ。
患者さんになおってもらったら困ることになる。
時間のかからない軽い患者さんがいないと経営がなりたっていかない。
☆ ☆ ☆
現在286万人の精神科外来患者さんがいるというが、その人たちは いったいどれだけの
診療時間をかけてもらっているだろう。
そして、「治療が終結する方法」を医師から教えてもらっているだろうか。
多分、一回かかりだしたら「はい、薬。はい次回は。。。」という具合に 一生精神科から
足が洗えないような しくみの中に いやおうなく はまっていないだろうか。
☆ ☆ ☆
本当の名医は、その人のこころの癖をさがし、それを克服する方法を一緒になって考えてくれる医師。
しかしそんな医師は、日本国中さがしたって そんなに いやしない。
いや、みんな良心的だし、まじめだし、まちがいなく誠実に仕事をしていると思う。
そういうことじゃなく、意識のレベル、しくみを含めての話なんだ。
それともうひとつ。
「早めに精神科に」という啓蒙活動も わたしは好きではない。
なんでもかでも、精神科医に丸投げしている気がする。
自分で考え、家族で考え、賢い友人に相談し、学校や職場で解決できることまで
精神科に行けば・・・という風潮が今、あきらかにあると思う。
半歩先を歩くわたしとしては、そこのところを わかってもらえる診療活動をしたいと思うのだが。
あ~あ、半歩先でなく、一歩先を歩ける能力がほしいよ。
☆ ☆ ☆
人が一生の間に、精神科に一度でもかかる確率は 4人に一人だそうです。
家族が4人いたら、誰かひとりは、一生の間に精神科医のお世話になります。
そういう時代にわたしたちは生きています。
このブログでは、読み手の方たちが、自分のこころの問題を自分で引き受け、自分の頭で考える
きっかけになるといいなと思っています。
人間の体は、無数の細胞で成り立っている。
「心の細胞」というのはない。
こころの細胞は「脳」にあると思うかもしれないが、脳というのは体の細胞だ。
だから 「脳」という体の細胞が すなわち こころを作っているということ。
だから こころと体は切りはなすことが出来ない。
こころが疲れているとき、体に働きかけるといいのは そのせいだろうか。
☆ ☆ ☆
さて、うつ病などのように、こころが病的に疲れているときには、体も休ませたほうがいい。
心が病的に疲れていると、それは 体の細胞も疲れはてているということだから。
でも 病的な疲れでない場合には、細胞が疲れはてているというより
バランスが悪くなっているだけだから、
体を動かしたほうがよい。
☆ ☆ ☆
そんなことを考えたには理由がある。
仕事のストレスでこころが疲れているな、と感じたからだ。
多分、バランスが悪くなっているのだろうから体を動かしたほうがいいのだろうな。
そんなことを考えながら、家の掃除などをやってみた。
仕事の中で、こころと頭はしっかり使わせてもらっているという人は、
できるだけ、普段の暮らしの中では 体を使ったほうがいいと思う。
気持ちが沈んでいるとき。
口角をあげ、無理に顔をニッコリ笑顔にする。(気持ちは沈んでいるんだよ)
そして無理に「ふふふ」とか「ははは」と声を出して笑う(楽しいわけではないんだよ)
すると、最初は変化がないけど、それでも それを続けていると
本当に だんだん 楽しい気持ちになってくる。
つまんないなあ・・・と思うときや、気分の冴えないとき
一度ぜひためしてみてください
今日は休日! という日に雨が降ると ゆううつになる。
実は、今日は土曜日だけど、私にとっては久しぶりの休日。
ところが、外は雨・・・寒そうな霧雨・・・・・
仕事の日はどんなお天気でも、あまり気にならないのだが
せめて 週一の休日には カラッと晴れてほしい、と いつも思う。
雨の休日は、家にいても 気分がうっとうしいので
思いきって買い物に行ったり、温泉やプールに行く。
そんな風に決めているわたしだが・・・・・・
今日は、あれっ?
いつもと違う。
ゆううつにならないばかりか、かえって気持ちが落ち着くではないか!
どうしたんだろう。
かたや夫は?と見ると「気分が晴れないから出かけようよ」と
は言わない。でもしっかりと顔にそう書いてある。
結局、気分転換にと夫はひとりで出かけ、私は家に残ることになった。
☆ ☆ ☆
快晴の日は気分が晴れる。
雨の日は、うっとうしい。これ 健康な証拠。
うつ状態にあるときには、真っ青な空、日本晴れみたいな日には
なんか自分の気持ちとそぐわない、不釣合いな気分におそわれる。
逆に 雨の日には 気持ちがしっくりときて 意外に落ち着くことが多い。
うつ病の患者さんが「今日は雨なので うつ気分が余計ひどい」とか
「快晴なので いつもより気分が良い」などと言われると
わたしはニッコリと笑い「うつ病は治ってきてますね」と言う。
怪訝な顔のマイ患者さん。
だけどわたしの目はごまかせないのだ。
さて。
「うつ状態」という診断のついたわが心には、
出かけるのはやめて 家事はほどほど。
ゆっくりお風呂に入り、早めに休んで、しっかりケアが必要のようですね。
そんな今日の休日でした。
からだが疲れることは自覚できますが、こころの疲れというのはなかなか自分では
わからないものです。
心が疲れているときのサインはいくつかあります。
ちょっとした事で涙もろくなる、イライラしやすい、怒りっぽくなった、などです。
さて、一番わかりやすい心の疲れのサインは何でしょうか。それは朝起きた瞬間の気分なんです。
朝、目覚めときの気分の良し悪しです。
朝目覚めた瞬間というのは、まだ半分もうろうとしていますので、純粋に心の調子をあらわします。
元気があって楽しい予定があるときは、早くぱっちり目がさめるものですね。そういうことがずっと続く場合には、絶好調だと言えます。でも、張りきり過ぎだということも言えますので、そういう時こそ何事も慎重にね。
反対に、目覚めが悪くなかなか起きる気分になれない時には、心が疲れている時です。うつ病がかくれていることもあります。
働き盛りのサラリーマンや子供たちの心の健康を考えるときにも、これはとても役立ちます。心の状態はなかなか口で表せるものではありません。でも、あなたの家族が毎朝気分良く起き、朝ごはんを美味しく食べているなら、あなたの家族は精神的健康家族です。
朝目覚めたときの気分を大切にする習慣をぜひつけてください。
NHKの「ためしてガッテン」で 乳がんの予防についてやっていました。
検診で見つかる人は2割、あとの8割は自分でしこりを見つけてやって来るのだ
そうです。
へーっと思いながら見ていました。
そして10人の女性に、乳房と同じつくり方をしたものに、しこりを5個かくして入れ、それをどれだけの確立で見つけることができるかのテストをやっていました。
5個とも見つけた人、2個しか見つけられなかった人。人によって様々です。
たくさん見つけた人と見つけられなかった人、その違いは何でしょうか。
答えを聞いて、あっ!と感じることがありました。
ふだん 月に一回でも二回でも乳房のしこりを自己検索しているかどうかの違いだったのです。
つまり ふだんの自分を知っていないと、たとえ しこりができても気づきにくいのです。
なんかすごい見つけ方のコツがあるのかと思って見ていた私は、とても意外に感じました。
こころの病気にもまったく同じことが言える。
そう思って感動したのでした。
有名人の方で、うつ病を告白している方が少なくありません。
そんな方たちと私の違い。
それは その方たちは弱くて 私は強い。
そうじゃないんです。
わたしは人の心をたえず診察しているので、同時に自分の心も鏡に映すように見えます。
だから こころの異変に気づきやすくて 早く手当てができるのです。
わたしほどではなくても、自分の心をチェックする習慣があるか、ないかの
違いが、心の病気になるかならないかの分かれ目だったのです。
ためしてガッテンでやっていた「乳がんの予防」は、こころの病気を予防するときにも同じことが言える。
具体的なこと、つまり、自分のこころを見ることができる方法については
また 少しづつお話しします。