人生が変わる瞬間(とき)

ランチ。何年ぶり?
それくらい、珍しいこと。友人が誘ってくれた。
一時間のドライブ、おしゃべりタイム。
女同士の友達って「いいね!」だ。

今日は雨。
でも、霧にけむる山の景色は最高だった。
写真に撮る暇はなかったが、とても幻想的な山や里の景色を眺めてドライブした。

花・ふらんす食堂やまもと。

フランスで修行を積んだご夫婦がやっている。
洒落た横文字の名前はついていないから、ちょっと見にはわからない。

美味しい上にボリューム満点。メニューがすごい。

きびきびとチームワークよろしく働くご夫婦を見たら。
人のために「働く」ってなんて素敵なんだろうとこころが震えた。

デザートだけでも、こんなに大きい。
金時いものクレープと栗入りアイスクリーム。
ハンパな探究心じゃないと思えた。

帰りにいつものカフェに立ち寄った。

カフェ・ビエンツ。

ひなびた、小屋風の一軒屋だが、こちらは洒落た店名がついている、対照的だ。

本を出すきっかけになったカフェなので、「くもりのちしあわせ」をプレゼントした。

教師を退職後の70才の時、脳の大きな病気で手術された。
大きな後遺症も残って障害者の身となった。

その時、残りの生涯で好きなカフェを開こうと決意された。

東京の方だが、単身でカフェに住みこんでいる。
月の終わりの週だけ、妻の待つ東京に帰る。

東ティモールなどの新鮮なコーヒーをカフェの一角で焙煎している。
その美味しさは、感嘆の声が思わず出るくらいである。
今年は胃癌の手術をされたという。
満身創痍の身である。

82才。あと3年で開業10年になるので、それまではやりたいという。
ぜひがんばってほしい。

「大病」とか「別れ」とかは人生を変えると思う。

そんなときこそ、人は前向きに生きることの意義を感じるのだろうか。