株価と病気が関係しているだなんて、誰が考えるでしょうか。
でも私は、これほど似ているものはないと思っています。
患者さんは、病気が治り始めると喜びます。
でも、一本調子で良くなるわけでなく、かならず調子の悪くなる日があります。
するとショックを受けるのです。
調子が良いとうれしい、出来ないでいたことをしたくなるし、つい無理をする。
するとかならず病気は少し悪くなります。
でも、悪くなると無理がきかないのでしばらくおとなしくしたり規則正しく暮らします。
するとまた病気は良くなってきます。
良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、その波に乗っていると、かならず病気は快方に向かう。
そのあたりの加減を、いかに早く覚えるかということが病気を治すコツです。
「ずっとあがりっぱなしだったら、昇天してしまいますよ」というと笑いながら納得してくれます。
最近の株の動きを見ていると、株価の上下と病気の治り具合はすごく似ていると思う。
高くなったら必ず調整が入る。逆に下がりっぱなしということも物理的にあり得ません。
下がりすぎたら、誰かが買って上げるのですから。
株価の上下は、経済学者やファイナンシャル プランナーの予測より、人間集団の
心理的なものに、より多く動かされているとつくづく思うのです。
睡眠や食事(実態経済)を無視して、楽しいことばかりやっていると病気になる(つまり
金融恐慌が起きる)
実体経済が悪くなってもいなくても、集団心理が「悪くなった」と思えばそれだけで
株価は下がります。
心の病気も体の病気も、症状だけの一喜一憂せず、「いつかは治るサー」くらいに考えて、
調子の悪いときは「調整の入っているとき」と考えて焦らない人のほうが、早く良くなります。
人生を良くするも悪くするも、病気を治す治さないも、すべてはその人の知恵にかかっています。
心理的なことや知恵は何事においても、人が考えている以上に大事です。