実験的共同生活②

姉妹のいなかった私は、再婚した夫に妹がいて、近くに住んでいると知り、うれしくてかなりモーションをかけていました。

一回り以上も年の違う妹はどう思っていたかしらないけど、でもけっこう仲良くしていました。

今回、妹が東京に行くことになり、さびしい思いをしましたが、喜んで送りだしました。

それが、三週間もしないうちに、出戻ってきたんです。

同居してしばらくは疲れました。だけど次第に、「同居ってなんだか楽しいぞ」と思うようになってきたのです。

妹と私は性格が」正反対。

社会的にはしっかり者で現実的でデキパキしているけど、家では「抜けすぎている」わたし。

社会的には本当にたよりなくて、一文なしになり、家も仕事もなくしてきたような妹は 家庭的には

料理も上手で優しくて、その日一日を楽しく暮らす天才です。

同居が楽しいと思い始めながらも、当然ですが同時に仕事や家をさがし始めました。

妹は働き者なので、当然調理師の資格を生かして、仕事ができると思っていましたが、

キャリアは認められず、どこも派遣社員、時給は安く、現実の社会がいかに厳しいか、

本当に思い知らされる毎日でした。

わたしは俄然 腹がたってきました。

男性社会のまっただ中で、仕事と家事を両立して働き続けるわたしと、時給を安くたたかれる妹は、

同じ立場の同志ではないかと思い始めたのです。

わたしは言いました。

あなたを追い出すわけにいかないわ。助けあわない? あなたの苦労と私の苦労はきっと同じものよ。