精神科を受診する前にできること

E: 病院の受診を考え始める時って、どんな時でしょうか。

A:ストレスを受けて、お悩みが続いて、心が弱っているなと感じた時、それが続く時です。

E:そういう時に出る、自分でもわかる症状ってなんですか?

A:3つあげますね。

 ひとつめ;人の何気ない言葉で涙が出るとき

 ふたつめ;イライラ感がつのる時

 みっつめ;死にたいくらい辛いこと、消えたらラクだろうなと思う時

E;なるほど。涙が出やすい、イライラする、死にたいくらい辛い、ですね。

A;そうですね、涙は夕方とか疲れがたまった時に出やすいですね。イライラ感はね、自分の出来る範囲を越えて無理している時。また変えることの出来ない相手や変えることの出来ない環境を変えようともがく時に出やすいです。もともと「イライラ病」っていうのはないんです。

死にたいくらい辛いは、言葉どおりです。お悩みに直面してどうしようも出来ない時って、その場から逃げ出したくなりますよね。

E;病院に行くほどではないかも、と言われても、困りますよね。どう対応すればいいとかはないんでしょうか。

A;そうですね。病院に行くほどではないと言われても、ほおっておいてもいいっていう意味ではないですからね。涙が出やすい時ってやはり相当疲れている時だと思うんですよね。

まず、それを認めることが大切かなと思います。認めてしまうとかえってラクじゃないですか。「早く寝よう」とか「美味しいもの食べてゆっくりするか」とか。認められてないと又無理を重ねてしまいますからね。

E;まず「認める」ってそんなに大事なことなんですかね・

A;そうですね、イライラ感がどうしようもなくて病院に来る方もいます。認めてあげれて良かったねと言います。そして、その方の暮らしぶりなどをお聞きしながら、何が無理になっているか考え、対応策を考えると消えていきます。

もし、病院に行くほどではなくても、認めてしまえば友人の誰彼や職場で気の合う人つかまえて、何か無理があるってことを前提で聞いてみるといいです。「そこ。無理しないほうがいいよ」とか「逃げるが勝ちよ」とか案外、冷静に見ているものですからね。

そんな相手いないよとおっしゃるかもしれませんが、同じようなことで悩んでいる人はかならずいるものです。悩みの打ち明け方については又の機会に話しますね。

E;お悩み相談って相談する人にもコツやルールのようなものがあるんですね。またお聞きしたいです、なんでも話せる親友って誰もが持っていませんからね。

A;そうですね。私思うんですけど、心の友っていなくてもいいと思うんです、なかなかつ作れないって方も多いです。

でも、その時々で、気軽にオープンにお悩み別に相談できる相手を作っておくことって大切だと考えています。子育ての悩み、恋の悩み、職場の人間関係。。。。。などなど、そういう問題に全員が対応できるわけではありませんから。なので悩み事に相手を変えればいいんです。

すべての事件は「隠す」「隠す」「隠し続ける」から始まっていると私は考えていまして。閉鎖的な環境から抜けだしておく努力なら普段から出来ることだと思っています。

E;しつこいようですが、それができないから、っていう人は多い気が・・・・・・悩ましいですね。

A:ママ友っていますね。環境が同じだからつながりやすいのでしょうね。人が生まれた時から、親たちができるだけオープンな環境を作っておくことで、子供たちも変わっていきます。大人になった私たちにはママ友まもう出来ないかもですが、つながり方はいろいろありますからね。こないだお年寄りが数人でスタバのテラスでおしゃべりしていましたよ。

どうしたらタンパク質の多い食事をとれるかで盛り上げってました。それ聞こえた私にも参考になりました(笑)どんな方にも、今できるつながり方はあると思います。

E:あやこ先生は随分心を開けてご自分を開いておられる気がしますが・

A;とんでもありません。出来る限り隠しておきたいほうです。でも最近、ちょっと考え方を変えまして。「一応、誰かに話してみるか」という方針に変えたのはわりと最近です。

ところがこれが新発見! 必ず「言ってよかったわあ」ということがありますね。情報とか考え方の視点が変わるとかあります。

情報はSNSからと考えがちですが、現実の暮らしの中で、生の声で情報が得られたほうが健全な気がします。「はずかしい」とか「こんなこと」と思わず、「事故っちゃって」とか「こんな病気になっちゃった」とか。誰彼なく言えとはいいませんが、適宜、打ち明けておくことで思わぬ情報がはいったり、元気をもらえたりしますよ。ぜひ心がけてみてくださいね。

自分の心を見つめること、そしてそこから他とつながっていくこと。そこから始めていくことで、自分で自分を苦しめて亡くなる人を減らすこと。大切なことなので、また繰り返しお伝えしていきたいと思います。

E:なるほどです・・・・・・・・・・・