裕福な暮らしで何不自由なく暮らしていた人が、
ご主人が突然亡くなられ、婚家先から身ひとつで追い出された。
住む家がなく、お金もなく親類の家に身を寄せ、その上、ねむれなくなって病院通い。
ずっと専業主婦でおられたから、働ける見通しも暗い。
そんなとき「これ以上、落ち様がないですよね。どん底です。。。」と涙される。
でも私は言う。
「えっ? どん底ですって? 甘い甘い。まだまだどん底じゃないよ」
患者さんは怪訝な顔をする。
わたしは言う。
「まだまだいくらでもどん底は訪れるよ。交通事故にあう。重症の病気を宣告される、子供さんが病気になる。
骨折しただけでも、今より底だよ。まだまだいっぱい悪いことは起きるのに、どうして 今がドン底だなんて言えるの?」
言われてみて初めて気づく。
そうだ、まだ あれもある、これもある、どんな仕事でもして働けるカラダがある。
☆ ☆ ☆
じゃあ、今恵まれている人は、どん底にはほど遠いだろうか。
いえいえ、そんなことはありません。
みんな、自分の置かれている今の状況を基準にします。
だからどんなに恵まれていても、何かが起きると「どん底気分」になるのは、みんな同じ。
だから 小室哲哉さんも詐欺で逮捕されたんです。そういう意味ではみんな平等です。
どんなに才能があっても、お金があっても、その人にとってはその場所が基準だったからです。
だからそこから少しでも落ちると、どん底気分になって欲ばってしまったり、焦ってしまうのです。
☆ ☆ ☆
今みなさんが、どんな立ち位置にいようとも、もっと悪いことは起きます。
テレビで毎日放映されているニュースは、あなたにも起きることです。
そして、悪いことにはかぎりってものがありません。これでどん底が終わりっていうのはないんです。
だからこそ。
自分が今、持っているものを確認して感謝する習慣を持つことがとても大事です。
たえずそうしていないと、人間って不満や不足や不安を持つ動物だと思います。
なんにもなくなるとき(死ぬとき)でさえ、残せるものがあるそうです。
それが何か、について考えることもするといいと自分でも考えています。