勤務先でやっているフォトエッセイの写真展を見て「この先生なら」
と思って診察に来てくださる方が何人かおられる。
たいていは「精神科」を敷居が高いと感じる熟年の世代であったり、
病気というほどではないけから精神科には行きたくないけど
「わかってほしい気持」の何かを持っている方。
今日もそんな方が見えた。
とても素敵な方だったのと「どうやってストレス解消しているんですか」と聞かれ、
思わず、あまり教えないこのブログを教えてしまった。
「ブログでいろんな気持を書くことで解消しているのよ」と話して。
☆ ☆ ☆
友だちから「そんなことまで書かなくていいのに」と言われることがある。
でも、精神科医だって生身の人間だということを知ってほしい。
また、自分のかかえている問題を、書くことによって冷静に見つめたり
表現したりしたい気持もある。
☆ ☆ ☆
今日、仕事の終わった夜に経験した仕事上のことは、
書かずにはいられない私にとってショックで重要なことだった。
でもその内容を書くか書かないか。
それを考えるために、何時間も費やすことがある。
書いてしまったら取り消すことができない。
書かなかったら、胸に鬱屈する。
いつも、そのぎりぎりのところを右往左往している。
☆ ☆ ☆
ひとつ言えることがある。
あちこちから請われ、はりきって仕事する時期が、場が。
少しづつ、じわじわとなくなっていく時期にあるという現実。
医者が一番輝くのは、38歳から45歳くらいだ。
そんな時期はとうに過ぎ、もう忘れた。
若い人に譲ることがいやなのではない。
こんなに燃えているのに。
こんなに診察をしたいのに。
自分を生かしていく場所や方法を見つけられないでいること。
自分の好き放題に開業をやめてしまったり、職場を変わったりした、
ツケが今まわってきたと思う。後悔はしていないけれど。
涙が出てくる。
これって、ただの仕事依存症?
それとも、私の情熱?
様子をみないとわからない。
私のことだから多分、いい感じに着地できるとは思っている。