わたし自身の心の解放のために

勤務先でやっているフォトエッセイの写真展を見て「この先生なら」

と思って診察に来てくださる方が何人かおられる。

たいていは「精神科」を敷居が高いと感じる熟年の世代であったり、

病気というほどではないけから精神科には行きたくないけど

「わかってほしい気持」の何かを持っている方。

今日もそんな方が見えた。

とても素敵な方だったのと「どうやってストレス解消しているんですか」と聞かれ、

思わず、あまり教えないこのブログを教えてしまった。

「ブログでいろんな気持を書くことで解消しているのよ」と話して。

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友だちから「そんなことまで書かなくていいのに」と言われることがある。

でも、精神科医だって生身の人間だということを知ってほしい。

また、自分のかかえている問題を、書くことによって冷静に見つめたり

表現したりしたい気持もある。

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今日、仕事の終わった夜に経験した仕事上のことは、

書かずにはいられない私にとってショックで重要なことだった。

でもその内容を書くか書かないか。

それを考えるために、何時間も費やすことがある。

書いてしまったら取り消すことができない。

書かなかったら、胸に鬱屈する。

いつも、そのぎりぎりのところを右往左往している。

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ひとつ言えることがある。

あちこちから請われ、はりきって仕事する時期が、場が。

少しづつ、じわじわとなくなっていく時期にあるという現実。

医者が一番輝くのは、38歳から45歳くらいだ。

そんな時期はとうに過ぎ、もう忘れた。

若い人に譲ることがいやなのではない。

こんなに燃えているのに。

こんなに診察をしたいのに。

自分を生かしていく場所や方法を見つけられないでいること。

自分の好き放題に開業をやめてしまったり、職場を変わったりした、

ツケが今まわってきたと思う。後悔はしていないけれど。

涙が出てくる。

これって、ただの仕事依存症?

それとも、私の情熱?

様子をみないとわからない。

私のことだから多分、いい感じに着地できるとは思っている。