ちょっと元気に。

このところの精神疲労で、昨日は12時間 寝た。

よっぽど疲れていたらしく、風呂から上がるなりダウンして朝まで寝てしまった。

今日はさすがに元気になった。

ところが仕事が思いのほか少なかった。

「こんな日、めったにないね」と看護婦さんと手に手をとって、病院を離れた。

行くところがなくて、わが家に来ていただいた。

レモンとイチゴがうれしいらしく私たちから離れようとしない。

猫だって、やっぱり女性が好き、華やかなのが好きなんだ。

看護婦さんが帰ったあとも、まだ陽が落ちない。

本を読む時間まであった。うれしかった。

こんなに早く帰宅していても、夕食をゆっくり作ろうという気持にはなれなくて、

例の「3点セット野菜とキャベツだけ料理」にした。

買い物なし、簡単料理を必要としているのは、

奥さんが病気になった私の患者さんではなく、実は私自身だったのだようやく気づいた。

「わたしは簡単料理研究家よ。だって、料理きらいだから」と看護婦さんに言うと

「簡単にしようと研究すること自体、好きな証拠だ」と言う。

でも、好きじゃない気がする。

「簡単にしよう、しよう」と一生、その研究をしている気がする。

これって、本当は好き? それとも嫌い?

自分でもわからない。

わたしの娘も妹も「料理なんて苦にならない」と断言しているから

やっぱりわたしは好きなほうじゃないと思う。

「一生、料理を作るのは嫌。老人ホームに入るのが夢」といって

はばからなかった私だが、最近その夢を返上した。

20年後30年後には老人が増えて、しかし老人施設のスタッフがほとんどいないという

状況になること。

スタッフのいる施設はお金が高すぎて入れそうにないことがわかってきたからだ。

一生、料理を作るしかない、と覚悟を決めた。

どんなに疲れていても簡単に作れる料理をこれからも研究したい。