「時間無限大」・・・の結果

数年前一緒に仕事したカウンセラーの男性と久しぶりに会った。
楽しかった思い出がよみがえり、一瞬で時を越えた。
本を出したことを伝えたら、たくさん買ってくれた。
「アフタークリニック」の話で盛りあがり、夢を語りあった。

わたしはふだん、ものすごく人づきあいが悪い。
ところが、本を出したときにかぎって、きわめて「社交的」になる。
どんどん外に出ていく。
その落差がはげしくて、「どっちがホント?」自分でも悩んでいる。

彼は今、落語に熱中しているといい、高座のちらしをもらった。

高校生のとき好きだった。とても忙しい仕事を持ちながら、落語レッスンには
空き時間のすべてを注ぎ込んでいるという。
楽しくて楽しくて、と言うその顔がもうこたえられないくらい喜んでいた。

落語は人前でやるわけだから、相当レッスンはきびしいらしい。
「超忙しい仕事を持ちながら・・・」と私は相当驚いた。

本当に、本当に、好きなことやっていると、時間無限大だ。

これは私が今回、フォトエッセイ集を出した経験でもいえる。
とてもじゃないが、無理と思っていた。時間がない、できるわけがない。
だけど好きだったからやれた。

好きで好きで仕方のないことをやるときには、時間の壁を超える。

それは真実だ。

しかし、彼は仕事以外は落語だけ。インターネットもやめたという。
出来ないのだ、何かに熱中すると他のことが。

わたしは釘を一本さした。太い釘だよ。

好きなことを一生涯貫くことも立派だけど、
あまり立派すぎると脳が偏るよ。
適当に飽きたり、中断したり、あれやこれやに手を出したり。

そのほうが脳にとっては健康的だよ。

実は彼の親友が、40年貫いた趣味の世界のつまずきで、
心を病んでいるという。
だからすごくよくわかると言ってくれた。

凡人でよかったね、ということも多いのだ。
いやいや、凡人のほうがしあわせであることは多い。

能力の高い人ほど、悩み・苦しみは大きい。

さて、あなたはどちらのタイプ?

自宅の前の道。
日に日に紅葉していく。
朝起きたときが楽しみだ。

しかし、へんな現象が・・・・・・
6月から咲いているナスタチウムと紅葉が同じ庭で見られる。
ここは年の半分が春。残りが冬。
春と冬しかないところ。

帰りを待ってくれる いちごちゃん。